これから音楽制作や編集、レコーディング、効果音作成、MAなどを行いたいと考えているみなさん。
音楽制作ソフトであるDAW(Cubase、Studio One、Logic Proなど)を購入した際、一緒に購入すべきものがあります。
DAWを手に入れただけでは、クオリティ面、アイデア面、音の入出力の面など十分に性能を引き出すことができません。
こちらの記事では、DAWとともに一緒に購入すべき機材(ハード、ソフトともに)を、目的ごとにまとめております。
初心者の方に向けた内容になっておりますので、ご自身の目的にあった機材選びの参考にしていただければと思います。
※筆者はCubaseを主に使用しておりますので、その視点でのお話になりますことをご了承ください
※他のDAWとの互換性などは該当製品等の仕様をご確認ください
Cubaseをおすすめしている記事もございますので気になる方はご覧ください↓↓↓
全DTMer共通
- オーディオインターフェイス
- ヘッドホン
上記2点は全目的共通で必要になってきます。
オーディオインターフェイス
私がおすすめするオーディオインターフェイスはSteinberg社のUR12という製品です。
Cubaseと同じメーカーということもあり相性もばっちりで大きなトラブルもなく利用できます。
他の製品と比較しても、必要十分な機能が備わっており初心者の方にはこのオーディオインターフェイスが本当に合っています!これより安価なものも存在しておりますが、このクラスが最低ラインだと考えてください!音質面で不満に思う事が大半だと思います!
- 入力数:2
→XLN(マイク)×1、フォン(エレキギターなど)×1 - 出力数:2
→ヘッドホン×1、RCA(ステレオ)×1 ※両方のボリュームは連動しています - 接続:USB2.0
- ループバック機能:あり
→他の製品では設定にたどり着くのがわかりにくかったりしますが、UR12では「Yamaha Steinberg USB Driver」という専用ソフトウェアの画面を開き、「Enable Loopback」という項目にチェックを入れるだけでいいんです!
※ループバックって何?という方はサウンドハウスさんのこちらの記事を参考に、また、UR12のループバックの設定方法はYAHAMAさんのこちらの記事を参考にしてみてください。
色違いもリリースされていてこちら↓もカッコ良いですね!!
ヘッドホン
ヘッドホンには主に、密閉型と開放型の2種類があり用途によって使い分けたりします。
ざっくりと以下のような違いがあります。
密閉型 | 開放型 |
耳に張り付いたような聞こえ | 奥行きのある聞こえ |
ノイズなどの粗を探しやすい | 客観的に全体をとらえやすい |
音漏れしにくい(レコーディングに向いてる) | 音漏れする |
耳への物理ダメージが強い(硬い部分が耳に常に当たっている感じです) | 耳への物理ダメージが弱い(長時間作業に向いている) |
重量が軽め | 重量が重め |
ヘッドホンはそれぞれに特性はありますが…モニター用の製品ならどれでもいいかと思いますw
ミックス時などは、参考になる音源を用意し、その音源の聞こえ方に近づければいいのですから。
あとは、装着感(重たさや耳への接触感など)や聞こえ方が自分の好みかどうかで判断するのがいいかと。
過度なイコライジングのかかっていない、フラットな音質のモニター用からお選びください!
密閉型でおすすめの定番ヘッドホンはsony製のMDR-CD900STというものです。どこのスタジオにも必ずと言っていいほど置いてあるポピュラーなヘッドホンです。
個人的には、後継機的な存在?のMDR-M1STの方が低域がしっかりと聴こえるため好みです。
開放型は少し離れた位置から客観的に聴くことができるような感じですので、開放型ヘッドホンも家電量販店などで聞き比べ、装着感なども確認してみることをおすすめします!
私が普段使っているものはSENNHEISER製のHD599という製品です。
はじめはスタジオ定番のヘッドホンであるMDR-CD900STから利用するのがいいかと思います。
その後、いくつか他のヘッドホンも試していき、密閉型と開放型両方でバランスの取れるミックスに仕上げていけるよう慣れていきましょう!
音楽制作(作曲、編曲、エレキ楽器収録)
- ソフト音源(ソフトウェア音源)
- MIDIキーボード
音楽制作を始められる方は、上記2点を揃える事をおすすめします!
ソフト音源(ソフトウェア音源)
初心者におすすめしたい音源は、Native Instruments製のKOMPLETEシリーズです(コンプリートと読みます)。こちらはバンドル製品となっており、個別でも売られているたくさんの種類の楽器やシンセの音源、エフェクトプラグインがセットとなったお得な製品です。
楽曲制作活動を進めていくうちに専用の音源を買い足していくことにはなるかと思いますが、個別に買い足していくのはなかなかお金がかかってしまいます。
たくさんの種類の楽器やシンセ、それからフレーズを収録した音源なども入っており、ポップスやロック、オーケストラ、映画、エスニック、クラブミュージックなど幅広いジャンル(ほぼすべてw)をカバーでき、プロの方が使っている音源も入っていますので、導入としてKOMPLETEシリーズほどおすすめのものはないと思います!
2024年10月現在、KOMPLETEは15が最新バージョンで以下の4種類のパックが存在しています(2024年9月23日に最新の15が発売されました)。
- KOMPLETE 15 SELECT
- KOMPLETE 15 STANDARD
- KOMPLETE 15 ULTIMATE
- KOMPLETE 15 COLLECTOR’S EDITION
オーケストラ系、映画のサントラのようなシネマティック系まで網羅したい方は、KOMPLETE 15 ULTIMATEを選択いただくのがいいかと思います。そこまではいらないという方はKOMPLETE 15 STANDARDをおすすめいたします。
KOMPLETE 15 SELECTではKOMPLETEシリーズの醍醐味である数の暴力を味わえないですw 質も高いうえにとにかく大容量のライブラリが売りでもあると思いますw
KOMPLETE 15 COLLECTOR’S EDITIONは、追加のプリセットがもっと欲しい(STANDARDやULTIMATEでも十分揃っています)、オーケストラ系の楽器のアーティキュレーションの種類を増やしたいな、など玄人向けとなっております。
購入の際は、“Upgrade”や“Update”となっているものは、STANDARDからULTIMATEにグレードアップさせる場合や、すでに14以前のバージョンのものを持っていて14にバージョンアップさせたい人を対象にしていますので、初めて購入される方はそういった製品を買わないよう気を付けてください。
MIDIキーボード
MIDIキーボードは音の確認や、打ち込む際に非常に便利です。ピアノが弾けないという方が持っていても問題ありません!作業効率がアップしますのでぜひとも導入してください!!
まずは様子見という方にはKORG製のmicroKEY2-25をおすすめいたします。
- 鍵盤数は25鍵(2オクターブ) ※PCのテンキー付きキーボードと同じサイズ感
- USB接続(パスパワーのため、別途コンセントの確保は不要)
- ジョイスティックにより、ピッチとモジュレーションの操作が可能
- サスティンボタン(サスティンペダルの取り付けは不可) ※左側にあるボタンのオンオフでサスティンを切り替えます
- オクターブ切り替え可能
- ベロシティ対応(打鍵の強弱に対応しています)
コンパクトでお値段もお手頃ですのでとてもおすすめです!
ミックス、マスタリング(MIX師、作編曲後のミックスなど)
- プラグイン(ミックス、マスタリング)
ミックスやマスタリングを行いたいと考えているミックス師や作編曲をされる方は、ミックス、マスタリング系のプラグインは必須アイテムです!
プラグイン(ミックス、マスタリング)
おすすめというか必須アイテム!
iZotope製のMusic Prodution Suite!!
(バンドル製品。2024年10月現在リリースされているバージョンは6.5)
こちらのバンドル製品には、コンプレッサー(マルチバンドもあり)やEQ、リミッターなどの基本的なプラグインはもちろん、エキサイターで歪ませ音をきらびやかにしたり、リバーブで奥行を与えたり、声にダブリング効果を与えたり、2mixデータのボーカルやドラム、ベースだけ音量を上げ下げしたり、ノイズを除去したり…!!
とても強力かつ便利なツールが揃っています!
つまり、以下のようなことに対応することが可能となっています!
- 収録した音声(ボーカル)のリップノイズなどのノイズ除去や部屋の反射音などを抑えるなどの整音
- ミックス(ボーカルや楽器をコンプレッサーやイコライザー、リバーブなどでバランスを整える)
- マスタリング
ミックス、マスタリングで必要な工程は網羅されているということです!!
他にも、他の楽曲の周波数特性を読み込んで自身の楽曲に反映させるMatchEQなどもあり、そのままご自身の楽曲に利用してもいいし、プロの楽曲の特性を学ぶこともできてしまいます!
歌い手(ボーカル収録、アコースティック楽器収録)
- マイク(コンデンサーマイク)
- マイクアクセサリ(マイクケーブル、マイクスタンド、ポップガード)
歌い手活動や配信をされる方はマイクは必需品です。
マイクは本当にピンキリで上を見ればキリがないですが、比較的安価かつ音質の良いもので安心しておすすめできるマイクをご紹介いたします。
マイク(コンデンサーマイク)
おすすめのコンデンサーマイクはaudio-technica製のAT2035!
こちらの製品は実況配信者などでも使われている方が多い印象です。
ノイズも少なく、クリアな音質で収録できるマイクです!
一つデメリットを上げるとすれば”個性が弱い”ことでしょうか。
高域がきらびやかなわけでもなく、中域がふくよかなわけでもなく、パワーのある音質でもなく、クセのないフラットな音質と言えるでしょう。
マイクホルダーがついてきますので、一般的なマイクスタンドに取り付けることも可能です!
マイクアクセサリ(マイクケーブル、マイクスタンド、ポップガード)
マイクだけでは収録ができないため以下の3点が必要になってきます。
- マイクケーブル
- マイクスタンド
- ポップガード
それぞれ必要な理由を見てきましょう。
マイクケーブル | オーディオインターフェイスとマイクを繋ぐために必要です※USB接続ではありません XLRケーブルといいます※XLRとは端子の種類です。 デスク近辺で使うなら長さは1.5m程度で良いかと思います。 用途に応じて長さは選択ください。 |
マイクスタンド | マイクを支えるために必要です。 手で持つのはNGです!※振動が伝わってしまうため |
ポップガード | マイクに息が直接あたるのを防ぎます。 |
おすすめの製品はそれぞれ…
マイクケーブル
音質に関わる部分なのでCANARE製のものが品質的にも安心感がありおすすめです。
マイクスタンド
CLASSIC PROというサウンドハウスさんがプロデュースするコストパフォーマンスに優れたブランドです。
デスクの取り付けるタイプのものもありますが、ご自身の環境に合うものを選択いただくと良いかと思います。
ポップガード
K&M製のポップガードです。
効果音制作(SE制作、加工、編集)
- ソフト音源(ソフトウェア音源)
- 効果音素材集(サンプリング集)
効果音の制作方法は、大きく分けて以下の4パターンが考えられます。
- 収録する
- ソフト音源など楽器やシンセから作る
- 素材集を加工して作る
- 1~3を組み合わせる
今回は2と3のソフト音源と素材集をご紹介いたします。
ソフト音源(ソフトウェア音源)
おすすめのソフト音源は、音楽制作(作曲、編曲、エレキ楽器収録) – ソフト音源(ソフトウェア音源)の項目で紹介したどのNative Instruments製のKOMPLETEシリーズにも含まれている“MASSIVE”という音源です。
“MASSIVE X”という製品も出ているのですが、”MASSIVE”の方がシンセの基本的な使い方を学びやすいインターフェイスになっているかと思います。
パラメーターが多く、はじめのうちはわかりにくい印象を受けるかもしれませんが、マニュアルや解説動画などを見ながら少しずつ覚えていけば使いやすい音源になってくれることでしょう!
sleepfreaksさんで使い方や音作りのことなど記事や動画で紹介されていますのでチェックしてみてください!
効果音素材集(サンプリング集)
おすすめの効果音素材集はSOUND IDEAS製の“THE SFX KIT”です!
ゲームで使えそうな魔法系、銃、打撃、爆発、whoosh系(シュッとか)から、乗り物や機械の駆動音、バスケットボールのシューズのキュッという音やボールをつく音などのスポーツ系、水や波、雷などの自然の音、モンスターの鳴き声などのクリーチャー系など本当に幅広いジャンルの素材が収録されています!
たくさん収録されているだけでなく、とても使いやすいです!!
そのまま使えるくらい使いやすいですw
私は他の作品などと同じ音にならないように、組み合わせたりエフェクトをかけるなどして加工していますが、素材が豊富なのでこれ一つでもほとんど対応できるほどのバランスの取れた内容だと感じています。
足りない音が出てきたら別途個別に買い足していけばいいので、最初は“THE SFX KIT”から始めることをおすすめいたします!
まとめ
初心者の方に向けた、目的別の機材をご紹介いたしました。
導入として使いやすく品質の良いものをご紹介していますので、これから音楽制作を始める方、歌ってみたやMIX師として活動したい方、効果音を作っていきたい方などにとって即戦力のものばかりです。
ソフト音源や素材集は値が張ってしまいますが…プロの方も愛用しているものですし、オーディオインターフェイスやマイクなどのハード機材も決して安くはありませんがこのレベルのものがあれば品質として安心できるレベルのものとなっております!
ぜひ、本記事を参考にご検討ください!
みなさんの役に立てば嬉しく思います。
ありがとうございました。
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